休日はロマンティックな洋館で
ガスミュージアムに出かけよう!
小平の街にたたずむ、素敵な洋館。「ガスミュージアム」は、東京ガスの事業の歴史やガスにまつわる資料などが展示されている歴史博物館です。展示だけにとどまらず、コンサートやファミリーイベントなども開催されているので、次の休日に家族とお出かけしてみませんか?
海外のガス灯も展示!
東京ガスが運営するガスミュージアムは、西武新宿線「花小金井」駅北口からバスに乗り、「ガスミュージアム入口」で下車して徒歩3分。
ガスの資料が収められた博物館、と聞くととても堅苦しい建物をイメージするかもしれませんが、むしろ建物や風景を楽しむために出かけたい!と思うほど、異国情緒にあふれた景色を楽しめるスポットなのです。広々とした敷地にはイギリス風の庭園がしつらえられ、その奥に赤レンガの洋館が建てられています。その風景はまるで、19世紀のイギリスみたい!今にもシャーロックホームズが、ガス灯の後ろから現われそうです。
庭園に建っているガス灯は、国内外で実際に使われていた物なのだとか。日本では横浜、湯島、浜離宮など国内の名所から、海外ではロンドン、ウェストミンスター、パリなどの都市から、それぞれのガス灯がこのガスミュージアムに移築されています。優美な装飾を施したパリ、シンプルで無駄がないロンドン、グリーンの支柱が美しい浜離宮、とそれぞれの個性もよく分かるようになっています。ガス灯には常に灯りがともされており、日没が早い真冬であれば、薄暗い庭園にガス灯がともるロマンティックな風景も楽しめそうです。
庭園内には、ほかにもまだまだ見どころがあります。敷地の北西に展示されているガスコークガイド車は、コークス(石炭を蒸し焼きにしたあとに残る燃料の素)を運ぶための車で、鶴見工場で使用されていたものを移送したそうです。今見るとゴリっとしたボディにレトロなものを感じますが、当時は最先端の工業機器だったのですね。時の流れを感じます。また、東京ガスの元社章であるGマーク入りの五光星は、かつての工場計量器室(現くらし館)の切妻屋根に飾られていたそうです。クラシカルな洋館を前に時代を感じる展示物を見ていると、昔の世界に紛れ込んだような気がしてきますね。
展示物いっぱい!くらし館とガス灯館
敷地内にある赤レンガ館は、ガス機器を展示している「くらし館」と、錦絵等を展示する「ガス灯館」、そしてお土産やグッズを売っている「ミュージアムショップ」があります。
くらし館には、料理や暖房やお風呂などの暮らしのシーンに沿って開発されてきたガス器具が展示されています。該当期間は、なんと明治時代から現代までの100年以上!実はくらし館の建物自体も、元は明治45年に建築された東京ガス千住工場計量器室を、移設復元した貴重なものなのです。中には昭和4年に発売された食パン焼き器や、昭和12年に発売されたカニ型のストーブ、大正元年のストーブや、明治後期のガス湯沸器など貴重なガス器具が数多く展示されています。展示を見ていて分かったことは、昔の人は現代人が思うよりも快適な暮らしをしていたということ。最先端だと思っていたものも、意外に昔から存在するのですね。そのほか、歴代の広告ポスターやカタログ、CMライブラリーも展示されているほか、特別テーマによる期間展示も行われています。
ガス灯館では、ガス灯ホールで展示概要ビデオの上映や、ガス灯点灯実演などが行われます。その奥でもやはり展示が行われており、鹿鳴館で飾られていたランプや、イギリス製のシャンデリア、明治初期のスタンドランプなど、さまざまなガス灯がズラリと陳列されています。また、入り口左横に設置されているタッチパネル式の閲覧システムでは、所蔵品である明治時代の錦絵のうち、300点が閲覧できるようになっているなど、バラエティに富んだ展示物を楽しむことができるのです。驚いたことに、これらの展示は全て無料で見ることができます。
そして最後に訪れたいミュージアムショップ。こちらでは、絵はがきや錦絵のレプリカ、図録、カードクリップ、ミニチュアガス灯など、ガスの歴史にちなんだグッズが勢揃いしています。楽しいグッズを買って帰り、しばしレトロな世界へ浸ってみてはいかがでしょうか。きっと、ミュージアムを訪れた日の思い出が、より素敵に感じられますよ。